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2007年12月11日火曜日

ハケンの品格

最近カルパッチョが友人からたくさんドラマを借りて来ているのだが、その中でもハケンの品格はとても面白かった。社会問題にまでなっている正社員と派遣社員の問題だが、ここ香港での労働事情は日本とはかなり異なる。もちろん他業種はよくわからないが、私の属する業界では、言ってみればほとんどの社員が日本で言うところの派遣社員なのである。より正確に言うならば、日本の派遣社員に該当するものは無く、契約社員といったほうが意味合いが近いと思う。
 香港では転職はあたりまえである。(というより今までの日本の終身雇用制度が珍しいのだが)。基本的には自分でキャリアを積み、次の転職でステップアップ、給料アップして行くのである。実際、私の職場でも私と同世代の多くのスタッフが去っている。転職はもちろん後ろめたいものではない。新聞等の求人応募記事を見てやってくる場合もあれば、人伝に紹介されて新たなオファーをゲットする場合もある。香港では人と人とのネットワークは非常に重要であるようで、また狭い地域なので、いつ何処で同じスタッフと顔を合わすかもしれない。だから彼らは基本的に喧嘩をしない。日本のように派閥を作っていがみ合うような事もあまり無いように見受けられる。
 自分でキャリアを積みステップアップしてく彼ら。所属会社の業績が下がれば、転職すれば良いのでお気軽なようにも思えるが、日本と同様いつ契約を切られるかもしれないという恐怖はあるようで、あなたの会社で雇ってくれないかと良く言われる。もちろん私にそのような権限は無いのだが、彼らも大企業に属したいという気持ちはあるようだ。
 日本でも雇用環境は激変し、今までの終身雇用制度は完全に悪者であり、実力主義、成果主義がもてはやされている。しかし、こちらで彼らに接する事によって、終身雇用を支持するわけではないが、日本の会社の「御恩と奉公」システムも悪いものではないと感じる今日この頃である。

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